食と脳 脳を知る・創る・守る・育む 18
開会挨拶
NPO法人脳の世紀推進会議理事長 津本 忠治

 皆様お早うございます。
 脳の世紀シンポジウムは初回が一九九三年で、今年二四回目を迎えております。回を重ねてきましたが今回は特別です。今年は『食と脳』ということで、京都の老舗料亭「木乃婦」の三代目ご主人、盒饗鷸さんにご講演をいただきます。そのあと四人の先生方からも食に関係するお話をいただきますが、最初に、なぜ和食に焦点をあてたか、その理由をお話しして開会のご挨拶にかえたいと思います。
 「医食同源」ということばがあります。「医」は医学・医療、「食」は食べ物、食べるということです。食べることは健康の維持、増進、病気の予防、病気からの回復に重要であることを意味しています。最近は、食のなかでも和食が注目されています。和食は、低カロリーで肥満やメタボの予防によいとか、認知症など脳の老化にも予防効果があるといわれています。うつの予防にもよいという話があります。そのような和食の効果もさりながら、日本食は非常にデリケートでおいしいということがヨーロッパやアメリカ、南米など世界中でよく知られており、平成二十五年にユネスコの無形文化遺産にも登録されました。そこで、どうして和食が身体によいのか、美味しいのか、その秘密・理由を、実際に調理される方からお聞きしようということで盒兇気鵑鬚招きしました。
 和食の料理人は多くおられますが、盒兇気鵑脇段未任后5都大学農学部の伏木先生の研究室で修士課程を卒業され、農学修士号を持っておられます。研究もされており、科学的なマインドを持っておられる類をみない稀なシェフです。そこでお招きしたわけです。
 また、本シンポジウムの恒例ですが、特別講演に続き、「脳を知る」「脳を創る」「脳を守る」「脳を育む」の四つの領域から最新の研究成果を、特に本日は食に関する最新の成果をお話ししていただきます。これも非常に楽しみにしております。
 脳研究は非常に広い分野にまたがっています。心理学、認知科学、情報科学、ロボット工学、人工知能といった分野から分子生物学までまたがる包括的なサイエンスです。脳科学の研究成果は、認知症といった精神神経疾患の予防法・治療法の開発にもつながりますし、人工知能、ロボットなど工学的な応用にもつながることから社会的なインパクトが非常に強くなっています。その意味で、一般社会の方々にも脳科学に対する支援・サポートを是非ともお願いしたいと考えております。脳科学研究の重要性、脳科学研究へのサポートの重要性をご理解いただくために毎年、本シンポジウムを開催しております。
 本シンポジウムを主催する特定非営利活動法人脳の世紀推進会議は、このシンポジウム以外に高校生向けの行事を全国各地で開催しております。脳科学研究を発展させ、皆様のご理解をえるための活動を広く実施しております。私どもは特定非営利活動法人ですので、一般の方にも開かれた組織です。この脳の世紀推進会議の趣旨にご賛同いただき、是非とも会員として、脳科学研究を発展させる活動に参加していただきたいと願っております。
 以上、これで私の開会のご挨拶とさせていただきます。