脳の発達と育ち・環境−2007、2009世界脳週間の講演より−
脳と情報環境―脳科学からみた環境の安全・安心―
国立精神・神経医療研究センター神経研究所 本田  学
物質とエネルギーで測れない環境問題がある/筑波病とは/脳のなかの情報処理の仕組み
脳のなかでは物質と情報は同じ意味をもつ/情報によってうつ病のモデル動物をつくる
脳の情報遮断は危険/情報環境学の誕生/人間にとって必須の環境情報は熱帯雨林にある
熱帯雨林には特徴的な環境音がある/熱帯雨林の環境音に脳の重要な部分が反応する
情報医療の構築/現代病は環境の都市化にともなって増加している
都市の音環境をメディア技術で改善する/おわりに

脳の発達と育ちの影響
理化学研究所脳科学総合研究センターシニアチームリーダー 津本 忠治
脳の発達/脳の成長と神経細胞の数/後頭葉と前頭葉の神経細胞の減り方の違い
なぜ、神経細胞は生後発達とともに減少するのか
視覚情報を伝える神経線維の多重投射と片眼遮蔽による視力低下/ヒトの両眼視発達の感受性期
ものを見分ける能力、聞き分ける能力にも感受性期がある
楽器演奏に関する脳機能と感受性期/言葉の発達と感受性期
大人になってからの訓練にともなう脳の変化/まとめ

心身相関―身体への気づき、こころへの気づき―
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所心身医学研究部 小牧  元
心理・社会的ストレッサーの特徴/ストレス反応が慢性化して生じる病気
心身症―感情や情動と深く関係する身体の病気/こころの理論とアレキシサイミア
アレキシサイミアと痛みをめぐる共感性/まとめ

神経難病に挑む
広島大学大学院脳神経内科学 高橋 哲也
人間は脳のどこで考えているか/脳のしくみ/視覚の情報の伝わり方と認識
脳での情報の伝わり方/変性疾患とはどんな病気か/アルツハイマー病/パーキンソン病
レビー小体の正体に迫る/神経難病の多くは異常たんぱく質の蓄積が原因
たんぱく質を分解するしくみ/おわりに